★会員の俳句★
●こだま俳壇(2022年12月句会) ダウンロード→PDF
木枯しや字に一灯あるばかり 中野みどり
玄関にひらり舞い込む枯葉かな 柳瀬節子
幼き日聖菓欲しさの信者かな 本山文子
兵士らに届けと子らの聖歌かな 角田英昭
木枯しや落葉踏む音心地よく 小室豊子
舟で行く小さき島の聖誕祭 友井眞言
月食や独り茶漬けをすすりをり 木村武子
木枯しや十五年もの戦争史 田中一男
旅の友独り旅路に急ぎ去り 後藤貞夫
クリスマスせめて停戦祈りけり 松尾佐知子
冬に入る母の命日一人酒 瀧澤正行
学友の訃報の届く冬銀河 島田多嘉子
木枯しや太白星の光増す 白井保次郎
雷鳥や雪を蹴散らし餌競う 常世田芳子
福寿草五つ並んで咲きにけり 高橋和江
木枯しの音聞くように彼は逝き 並木まり子
サイレンの風花となり消えゆけり 三井光子
学友の訃報の悼み冬銀河 島田多嘉子
着膨れて動きのにぶき介護の手 中村桂子
木枯や戦を知らぬ人増えし 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(9月通信句会) ダウンロード⇒PDF
友逝きて名残りの月の一人酒 角田英昭
母の手が鉛筆削る月夜かな 瀧澤正行
満月を背負いて帰る田舎道 白井保次郎
月を愛でいつか想いは無言館 松尾佐知子
人消えし廃墟の町の月明かり 中野みどり
終バスの月の鉄橋渡り消ゆ 田中一男
言訳の唇見つめ秋扇 友井眞言
旅心深まりゆくや秋白し 小室豊子
はらからの訃報飛び込む無月かな 三井光子
月の宴一升瓶に薄かな 柳瀬節子
アメンボウわがもの顔の秋の池 並木まり子
平平と子に任します墓掃除 高橋和江
青空に向日葵笑い子も笑う 常世田芳子
故郷や山深き道捨扇 木村武子
繰り返し開いては閉じ秋扇 島田多嘉子
月見草今宵も雨月闇深し 中村桂子
猛暑過ぎ座卓に座る秋扇 後藤貞夫
港行くあかいくつバス小望月 太田土男先生
●こだま俳壇(2022年7月)ダウンロード→PDF
桑の実や古老伝える絹の道 本山文子
浅草の路地の明るし七変化 田中一男
うどん打つ腕逞し夏のれん 鳥海敏雄
朝顔に水やる女児や裏通り 瀧澤正行
朝顔やいくつ咲いたと子らの声 角田英昭
開け放す部屋の仕切りに夏暖簾 島田多嘉子
朝顔や駄菓子屋つひに店じまい 松尾佐知子
夏暖簾媼の杖がもちあげる 中村桂子
余生なり紺の朝顔風まかせ 小川水草
半夏雨歳時記を繰る指の音 友井眞言
夏のれんとろろ定食すすりおり 木村武子
開墾し小玉すいかを植えにけり 常世田芳子
押し上げてそそる蕎麦の香夏のれん 後藤貞夫
この花の愛素直なり捩花 白石保次郎
風清し早苗が満つる田んぼかな 柳瀬節子
朝顔やオールバックと坊主刈り 高橋和江
●こだま俳壇(2022年4月句会) ダウンロード➡PDF
あるがまま生きて独りの花見かな 三井 光子
花冷えや人道回廊に狙撃兵 田中 一男
長生きの桜吹雪を浴びにゆく 白井保次郎
花過ぎてひと息つきし長寿かな 高橋 和江
春の夜や映画「ひまわり」もう一度 松尾佐知子
三味響く芸者小道の花の雨 角田 英昭
自販機に「冷たい」が増え夏近し 中野みどり
花の雨体に浴びて走りけり 瀧澤 正行
酒呑みの羅漢の盃に花の雨 友井 眞言
手の平に花の雨うけ傘さしぬ 島田多嘉子
菜の花の中州近くや川鵜群れ 柳瀬 節子
花の雨薄墨色の長屋門 本山 文子
花冷えに友との酒宴終わりなし 並木まり子
花の雨川面に降りて竿をさし 後藤 貞夫
竹藪や黄味がかりきて夏近し 中村 桂子
満開の桜の下の老夫婦 常世田芳子
花の雨友の入院知らせあり 小室 豊子
春の山ピンクのジャンバー色そえて 小林 久子
花冷や吉野葛溶き湯吞吹く 木村 武子
百歳が戦争𠮟る花ふぶき 講師 太田 土男
●こだま俳壇(2021年12月句会) ダウンロード➡PDF
禁解けて舌で転がす燗の酒 角田英昭
留守電に残る無音や冬の月 三井光子
熱燗のうまさがわかる齢かな 小室豊子
熱燗やふと口をつく革命歌 中野みどり
着膨れし媼の膝の子猫かな 島田多嘉子
熱燗や銚子十本世を語る 瀧澤正行
冬薔薇の頭を垂れる小雨かな 白井保次郎
着膨れて丘の端に待つ月の蝕 田中一男
鍋の夜は一人酒でも熱燗で 並木まり子
熱燗や熱き言葉で語る友 松尾佐知子
日向ぼこ子猫が大きくのびをする 中村桂子
保護犬の毛をすく少女冬麗 友井眞言
熱燗に板山葵添えて旅終る 柳瀬節子
冬日和くつろぎみゆる庭の木々 本山文子
熱燗や粋を兄弟好みけり 高橋和江
冬日和故郷の山は綿帽子 常世田芳子
着膨れて古紙回収に子等遊び 後藤貞夫
●こだま俳壇(2021年10月) ダウンロード➡PDF
秋の水流れを分ける石一つ 島田多嘉子
揃へたる手話の指先涼新た 坂 守
街の灯を離るる舟や水の秋 中野みどり
薄闇に池の浮草秋の風 本山 文子
一人居の自粛の日々や虫の声 松尾佐知子
阿弖流爲の駆けし天地や星流る 友井 眞言
すくい取る水の軽さや秋の水 中村 桂子
マンションの足場作業に西日かな 瀧澤 正行
昼の月白さ極める残暑かな 三井 光子
添水(そうず)鳴る茶席の気配深みゆく 木村 武子
ワクチンの接種祝いに新酒かな 柳瀬 節子
宅配の荷物の運ぶ残暑かな 田中 一男
駅降りて荷物の重み残暑尚 並木まり子
秋の水光を受けて山写す 小室 豊子
チヌ(黒鯛)待ちて我慢比べの秋暑し 角田 英昭
地に注ぐ流星群や何処落ち 後藤 貞夫
蜩の声透き通る夕間暮 白井保次郎
瓶に挿すハーバリウムの水中花 高橋 和江
秋の水山よりひいて鮎放つ 常世田芳子
流れ星釣り人一人居なくなる 講師 太田 土男
●こだま俳壇(2021年7月) ダウンロード ➡ PDF
蝉生るここ被爆地と知りて鳴く 田中一男
慰霊の日みたび沖縄汚す罪 後藤貞夫
下駄の行く音の涼しき橋の上 中野みどり
炎天や坂の途中の木のベンチ 白井保次郎
雪渓や針の止まった腕時計 友井眞言
雪渓の溶け込む池の深緑 島田多嘉子
枝豆や土の匂いと青臭さ 柳瀬節子
サングラスとある昭和のスターかな 瀧澤正行
涼風や通す網戸に星宿る 木村武子
翡翠を双眼鏡で射止めたり 高橋和江
車椅子押す力失せ炎天下 中村桂子
大雪渓音立て登る槍ヶ岳 三井光子
雪渓や白馬岳の小屋泊り 坂守
雪渓や濃霧晴れゆきルピナス花 本山文子
涼しげな川音急かす下駄の音 並木まり子
涼しさや仕事を終えて見る月は 小室豊子
炎天下コロナ禍五輪進みおり 角田英昭
雪渓を登りつめるや桜草 常世田芳子
重機音止みて涼しさ戻りけり 松尾佐知子
サングラス日本を暗くして歩く 講師・太田土男
●こだま俳壇(通信句会 ・ 2021年4月) ダウンロード→PDF
地下足袋の翁のすくと春の畑 鳥海敏雄
花柄の歯磨きコップ昭和の日 坂 守
戦争の語部老いて昭和の日 島田多嘉子
山葵田の崩れしままや熊野道 中野みどり
働いて得た長生きやさくら草 高橋和江
昭和の日憲法糧に今年喜寿 角田英昭
戦前といふ化け物や昭和の日 友井眞言
種芋は布団のような土の中 常世田芳子
駆け抜けた昭和の日に今戻りつつ 後藤貞夫
鶯の声して弾む会話かな 柳瀬節子
万祝や君の長寿を寿ぎぬ 木村武子
山葵田の水音清し落合楼 三井光子
うららかに友と語らい喜寿祝う 瀧澤正行
昭和路の歴史の重さかみしめる 中村桂子
春眠の夢妨げる愛猫よ 並木まり子
桜花咲きてこの世を一目見る 白井保次郎
昭和の日百歳目指せ昭和の子 田中一男
吹き渡る風もみどりよ山葵棚 松尾佐知子
とりあえず百寿を目ざせ花の雲 講師 太田土男
●こだま俳壇(2021年1月句会) ダウンロード→PDF
白き地に晴の一文字初日記 木村武子
落款は朱の薔薇一つ賀状くる 三井光子
仲のよき夫婦に逢へり初詣 友井眞言
独り居の母に小分けの節料理 角田英昭
正月やどこへも行かず誰も来ず 中野みどり
賀状みてゆつくりお茶を飲み干しぬ 島田多嘉子
花を生け一気に気持ちは正月へ 小室豊子
初夢の誰もマスクをしておらず 松尾佐知子
明けの春朝湯のあとの一人酒 瀧澤正行
元旦の朝冴える月を一人じめ 後藤貞夫
神主の細き二の腕年用意 田中一男
正月は昔晴着今褞袍 井村友彦
羽子板のお飾り写す時の夢 白井保次郎
猿曳に引き回わされて夢醒めり 高橋和江
兄弟で父を語れば湯冷めせり 坂守
田舎より届きし餅は格別よ 常世田芳子
初釣やかすかに揺れる鯊の影 鳥海敏雄
手づくりの正月飾り眺め居り 中村桂子
初売りや農家の庭先のぼり立て 本山文子
お年玉今年も遊んでねと手紙添え 並木まり子
独楽回しなら子どもらに負けまいぞ 太田土男
●こだま俳壇(10月句会) ダウンロード→PDF
曼珠沙華砂丘の先の海と空 友井眞言
繋がりを絶やさず鷹の山別れ 高橋和江
手に馴染む母の擂粉木とろろ汁 田中一男
一人座すすずむしまつむしスマホ鳴る 木村武子
掃く人の無く禅寺のこぼれ萩 松尾佐知子
独り居のコンサートなる虫の闇 三井光子
淋しさのまっただなかや曼珠沙華 中野みどり
脱衣場の足元跳ねるちちろ虫 島田多嘉子
松虫や流るる雲はアンダンテ 角田英昭
いわし雲山への想いつのる日々 小室豊子
鈴虫の声を潜めて鳴く夜半 白石保次郎
長姉を亡くし深まる秋模様 後藤貞夫
せせらぎの狭き川辺に曼珠沙華 並木まり子
耳をつく青松虫や庭木立 本山文子
散歩する犬の首輪に曼珠沙華 中村桂子
曼珠沙華七人の名の黒マスク 瀧澤正行
村里は木犀の香に包まるる 常世田芳子
鎌倉の古道に白き曼珠沙華 鳥海敏雄
同窓会話題が尽きぬ夜長かな 柳瀬節子
虫時雨牛舎泊まりとなりにけり 講師 太田土男
●こだま俳壇(7月句会) ダウンロード→PDF
桑の実や古老伝える絹の道 本山文子
浅草の路地の明るし七変化 田中一男
うどん打つ腕逞し夏のれん 鳥海敏雄
朝顔に水やる女児や裏通り 瀧澤正行
朝顔やいくつ咲いたと子らの声 角田英昭
開け放す部屋の仕切りに夏暖簾 島田多嘉子
朝顔や駄菓子屋つひに店じまい 松尾佐知子
夏暖簾媼の杖がもちあげる 中村桂子
余生なり紺の朝顔風まかせ 小川水草
半夏雨歳時記を繰る指の音 友井眞言
夏のれんとろろ定食すすりおり 木村武子
開墾し小玉すいかを植えにけり 常世田芳子
押し上げてそそる蕎麦の香夏のれん 後藤貞夫
この花の愛素直なり捩花 白石保次郎
風清し早苗が満つる田んぼかな 柳瀬節子
朝顔やオールバックと坊主刈り 高橋和江
朝顔や普段の暮らし戻りつつ 大田土男(講師)
〇こだま俳壇(4月・通信句会) ダウンロード→PDF
(以下、自選による)
老猫と生きる競争桜咲く 白井保次郎
菜の花や寅さん帰る江戸堤 瀧澤 正行
子の姿消えし校舎に花吹雪 松尾佐知子
老桜幹に二輪の華残し 角田 英昭
山里のこの日溜りの藪椿 田中 一男
文机に抽斗ふたつ春の宵 坂 守
一面の菜の花畑にトラクター 鳥海 敏雄
蒲公英のにこにこ並ぶ切り通し 島田多嘉子
窓越しにむらさき滲む山ざくら 本山 文子
走友の棺に桃花ランパンと 友井 眞言
花林檎母と二人で摘みにけり 常世田芳子
新コロナ停戦もたらす世直しに 後藤 貞夫
コロナ禍や戦争よりも不気味な春 木村 武子
藤色の衣装似合う手に回覧板 中村 桂子
夢を見た田鼠化して鶉となる 高橋 和江
花筏疫病の街流れゆく 講師・太田 土男
〇こだま俳壇(2020年1月) ダウンロード→PDF
畑から野鼠逃げる大根引 友井眞言
日向ぼこ代行バスを待ってゐる 坂 守
京菓子の色さまざまに春隣 田中一男
よちよちとフェルト沓の児青き踏む 木村武子
朝霜や大根の葉を押しまげる 中村桂子
寒さ耐え怒りの拳反カジノ 後藤貞夫
六畳間ちょこんと母の日向ぼこ 瀧澤正行
初日さす片瀬の浜に砂人魚 鳥海敏雄
患ひし句友をしのぶ初句会 島田多嘉子
初句会飛び立つ鳥に励まされ 柳瀬節子
蠟梅や大山裾の陽だまりに 本山文子
水仙の香に送られて初句会 松尾佐知子
千両の実鮮やかなりし仏間かな 白石保次郎
手間かけて大根料理の味尽くす 高橋和江
清烈に軒に並ぶや三浦大根 常世田芳子
日向ぼこ七福神の五人ほど 講師 大田土男
〇こだま俳壇(2019年10月)ダウンロード→PDF
残照を総身に浴びて柿すだれ 田中 一男
寺の庭落ち銀杏をひとつ踏む 島田多嘉子
野良猫のねぐらゆたかな草紅葉 中村 桂子
白濁の湯に紅葉の散りにけり 友井 眞言
冷気満つ坑道なんと千余キロ 角田 英昭
藪の中スポットライトの天狗茸 常世田芳子
三分の診察終えて初紅葉 鳥海 敏雄
赤まんま舗装の端にひょろり咲く 柳瀬 節子
石積みにすすきが光る露天風呂 瀧澤 正行
薄紅葉雨傘の波揺るぐデモ 木村 武子
鉱毒で亡びし村や萩の花 松尾佐知子
きのこ飯姉を囲みてつどう夜 本山 文子
この川をのさばり泳ぐぼらの群 後藤 貞夫
毒茸食べし話を面白く 講師・太田 土男
○こだま俳壇 (2019年7月) ダウンロード➡PDF
遠雷や玉菜刻む手早くなり 木村 武子
雷鳴や津軽の三味と二重奏 瀧澤 正行
強くなる父への想ひ盆仕度 田中 一男
セスナ機の影もさがみの植田かな 小川 水草
安全の見守り隊や夾竹桃 中村 桂子
駅中を黒あげは舞ふ便りかな 後藤 貞夫
広島と沖縄の花夾竹桃 松尾佐知子
煙突の無い街となり夾竹桃 友井 眞言
夾竹桃生け垣にする町工場 島田多嘉子
船頭の声飛ばされて春嵐 柳瀬 節子
ふるさとを照らし続ける蛍かな 鳥海 敏雄
いかづちや百年の安心どこへ 角田 英昭
夏空に自分の想ひぶつけてる 白井保次郎
夾竹桃歓声ひびく青い空 本山 文子
容赦ない雷鳴の下山下る 常世田芳子
夾竹桃うとむ気持の少しある 講師 太田 土男
〇こだま俳壇(2019年4月) ダウンロード➡PDF
友がいて友と祝える喜寿の春 角田 英昭
何事もなかったように桜咲く 鳥海 敏雄
柿若葉となりに赤子生まれたり 島田多嘉子
姿勢良き老の二人に花吹雪 松尾佐知子
舞い戻る燕の滑空街の絵に 後藤 貞夫
遠蛙つくねんと聞く休耕田 本山 文子
彫深き戦碑を覆ふ櫻かな 田中 一男
葱坊主厨の隅で顔を出し 柳瀬 節子
春うらら丹沢の山高くなり 白井保次郎
花冷えや老女の面のうつむきぬ 友井 眞言
百寿へとよき人生の菊の道 三井 光子
本棚を眺め蛙の目借り時 木村 武子
青空に花びら映り門出かな 常世田芳子
「噛む」をやめ初蛙の声に耳すます 中村 桂子
悲しみが一休みする花の宴 高橋 和江
夕桜黒板塀に三味の音 瀧澤 正行
歳とるは智慧をつむこと花杏 講師・太田 土男
●こだま俳壇(2019年1月) ダウンロード➡PDF
子ども皆帰り元日終りけり 松尾佐知子
初買や大きな文字の世界地図 柳瀬 節子
元旦のドアを静かにあけにけり 友井 眞言
初稽古うごかぬ指に鞭を打つ 中村 桂子
鍬始も少し先に延ばそうか 鳥海 敏雄
獅子舞や白髪頭を派手に噛み 木村 武子
正月や名前メモする喜寿の母 角田 英昭
初雀窓辺に留まり部屋覗く 瀧澤 正行
月冴ゆる太古の海に葦の舟 坂 守
「家族農業」国連も推す鍬始め 小川 水草
お正月水無川の水光る 井村 友彦
正月や着物きこなす粋な人 白井保次郎
寝室に父からのベル去年今年 高橋 和江
登り坂薄紅さして冬の富士 島田多嘉子
冬桜枯枝の中そっと咲き 後藤 貞夫
焚き染めし香のさまざまに初芝居 田中 一男
初詣親子で祈る安寧を 常世田芳子
友ありて平和楽しむ初御空 本山 文子
繭玉を飾り蚕飼を忘れけり 講師・太田 土男
●こだま俳壇(2018年10月) ダウンロード➡PDF
柿熟るる村に自省の満蒙館 小川 水草
大漁旗賑わう浜の秋高し 友井 眞言
冬瓜のとろりスープのうすみどり 三井 光子
朝市の茸両手に山の宿 松尾佐知子
鈴虫の空家の庭で鳴き止まず 島田多嘉子
秋の夜の救急の音長きかな 白井保次郎
栗ごはん我は幾つとさわぐ子ら 本山 文子
渋皮を剥く母の手早さ栗御飯 角田 英昭
栗の実をそっとなでてる赤子の手 中村 桂子
人よりも先に柿食う雌の猿 高橋 和江
どんと置く一升瓶や友と月 田中 一男
秋刀魚焼き高値の夕食煙にまく 後藤 貞夫
野分あとデニー勝利のカチャーシー 鳥海 敏雄
勝ち栗を慰問袋に入れし頃 木村 武子
田圃見る翁はひとり鰯雲 柳瀬 節子
釣竿のまわりにでっかい緋鯉かな 井村 友彦
台風過辺野古を守る民意勝つ 瀧澤 正行
●こだま俳壇(2018年7月) ダウンロード➡PDF大花火夜勤の窓を轟かす 三井 光子草の中鉄路は消えて雲の峰 柳瀬 節子原爆忌つる折りつづけし母は亡く 島田多嘉子盆踊り前に倣ひて輪に入る 瀧澤 正行大花火商店街の心意気 友井眞言沖縄忌共に生きんと清かな詩 小川 水草濁流禍天の川だけ美しく 角田 英昭手花火の心微かに揺れてゐる 鳥海 敏雄蟻の列その先にあるシャングリラ 白井保次郎暑き日やラジオうるさき理髪店 坂 守遠花火ベンチの二人野球帽 木村 武子曇っても暑さ変わらず森閑と 井村 友彦原爆忌絵に画いてみるきのこ雲 中村桂子夜嵐の七夕飾りの町抜ける 田中 一男闘病の雲の流れを励ましに 後藤 貞夫淡々と語る被爆者夏の昼 松尾佐知子萱草やこがねに染まる佐渡の海 本山 文子立山の出湯につかり天の川 常世田芳子三千万署名の一人原爆忌 講師 太田 土男
こだま俳壇(2018年4月句会) ダウンロード⇒PDF
ふきのとう採って食べなと床の姉 後藤 貞夫
春耕や野良着にこすり握手せり 小川 水草
見守りに照れる笑顔の入学児 瀧澤 正行
間のびした迷子の知らせ花の丘 田中 和夫
春雷や忖度国会叱咤する 角田 英昭
終活もままならぬまま桜散る 三井 光子
夕暮れの雨の気配や鰆焼く 島田多嘉子
若き日の父母もいた桜かな 友井 眞言
今は只余すことなく余花眺め 高橋 和江
公園の朝清掃やさわら焼く 本山 文子
花見酒格別うまし税還付 木村 武子
一本桜村の期待の応へけり 松尾佐知子
春嵐憲法論を聴きにゆく 鳥海 敏雄
花吹雪髪の間に間にとどまりぬ 中村 桂子
一片の桜の花を飲み干しぬ 白井保次郎
射干の花窓辺に鳥の糞の跡 井村 友彦
バックナンバーは⇒こだま句会へリンクします。(工事中)