退職者こだま句会の良さは、太田土男先生(「草笛」代表、「百鳥」同人)のていねいな指導、楽しい、わかりやすい、実作中心、会費(800円程度)の安さなどです。 俳句は、日々の生活、心の自分史でもあります。新しくやってみようという方がたを歓迎します。季節により、戸外へ出て吟行も楽しみます。参加をお待ちしています。
日 程 ◇ 毎月第2木曜日 13:00から
ところ ◇ 神奈川県庁本庁舎地下1階県労連会議室 (月によって変わることがあります。ホームページ、会報を参照してください)
申込み・問合せ ◇ 事務局まで。045-212-3179
●こだま俳壇(2025年3月句会) ➡ PDF
雛飾り夫婦の会話ふえにけり 島田多嘉子
三代目の新作和菓子風光る 松尾佐知子
はじめての靴の一歩や風光る 中野みどり
菜畑やチョウチョが老女追いかける 並木まり子
春風やビニール袋道渡る 白井保次郎
亀鳴いて不老長寿と聞こえけり 高橋 和江
春風にコンテナ船が行き交いぬ 大塚 敏高
微笑みを絶やさぬ人や風光る 友井 眞言
鳥帰る寅さん帰る茶の間かな 瀧澤 正行
鳥帰る率いる長に迷いなし 田中 一男
夢に見る砲弾の音春嵐 中村 桂子
風光る海辺のカフェのサザンかな 角田英昭
風光る遠くに眺む大型船 常世田芳子
ミモザ活け友へふみ書く夕べかな 小室 豊子
登戸に虚しき戦の資料館 後藤 貞夫
霜柱ぐちゃぐちゃにして子らは去る 柳瀬 節子
風光る一気に崩す組体操 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(2024年12月句会) ➡ PDF
寒見舞われ息災と大書して 角田英昭
傘の柄に深き傷あり初時雨 柳瀬節子
冬の田の畦道長し筑波山 友井眞言
目白きてつがいでつつく残り柿 島田多嘉子
ベビーカーのややのあんよや冬日和 中野みどり
大山が控え相模の冬田かな 大塚敏高
空っ風仔犬のように鳴いている 白井保次郎
冬田駆け一時間目に遅れまじ 瀧澤正行
冬日和布団干す手に力入れ 中村桂子
静寂の中心にある冬田かな 並木まり子
冬田にて収穫のがす柿幾つ 後藤貞夫
冬温し白墨書きのアラカルト 坂 守
霜深し母と妃殿下同い年 高橋和江
冬日和孫と手つなぎ歩くかな 常世田芳子
一人行く落葉の道の楽しさよ 松尾佐知子
冬田にてぽつんとたてり案山子かな 小室豊子
絵手紙に元気と二文字小春かな 田中一男冬日和あぐらの中に猫眠り 講師 太田土男先生
・こだま俳壇(2024年8月句会) ダウンロード ➡ PDF
台風裡「橋のない川」読んでいる 友井眞言
間違えて曲がりし路地に青蜜柑 松尾佐知子
地下鉄の車輌押し来る涼気かな 田中一男
振り向けば風やわらかに吾亦紅 角田英昭
初あらし葉裏を見せて木々揺れる 大塚敏高
秋祭りどっこいどっこい練り歩く 瀧澤正行
蓮の葉をズタズタにして初嵐 柳瀬節子
土砂崩れ苺ハウスが流れいく 中村桂子
終戦のあの日の空は青かった 白井保次郎
秋風にふと感じ入る寂しさや 小室豊子
梅の実のジャム作る日は慰霊の日 後藤貞夫
台風の進路の逸れて酒を酌む 島田多嘉子
炎天下ズリズル登る鳴沙山 常世田芳子
バス降りてまといつきたる虫時雨 並木まり子
竹林を波濤となして台風来 中野みどり
多摩湖畔萩揺れて建つ取水塔 高橋和江
一筋の水澄んでくる秋出水 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(2024年6月句会) ダウンロード ➡ PDF
齢重ね縮むわが身や更衣 角田英昭
蛍見て星見て旅を終わりけり 松尾佐知子
そろそろに終活のこと更衣 友井眞言
早苗田や高台走るバスの窓 本山文子
更衣うぶ毛の光る少女かな 中野みどり
あじさゐや友の愚痴聞く昼下り 島田多嘉子
あめんぼうを散らして過る島の雨 田中一男
更衣鏡の前で色合わせ 中村桂子
直かに着る縞のTシャツ更衣 大塚敏高
睡蓮と風知草ある蒲鉾屋 柳瀬節子
大輪の薔薇に包まれおしゃべりに 高橋和江
朝顔の宇宙帰還の種芽ぶく 常世田芳子
花菖蒲姿勢よろしく凛と咲く 小室豊子
友亡くし涙にくれて濃紫陽花 並木まり子
梅雨に入り湧く蚊を叩く戦かな 後藤貞夫
我が庭の紫陽花二輪重たそう 瀧澤正行
美しき捩花芝を喰って咲く 白井保次郎
托鉢に出てゆく僧も更衣 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(2024年3月句会) ダウンロード ➡ PDF
窯跡の色絵のかけら春の雪 友井眞言
ガラス窓光る校舎を卒業す 中野みどり
卒業写真五人のうちの一人欠く 松尾佐知子
見守りに「ありがとう」って卒業す 瀧澤正行
卒業や揃いし全集そっと撫で 木村武子
春の雪名残の姿長屋門 本山文子
彩りはパステルタッチ山笑う 大塚敏高
卒業や校門出ても涙なく 後藤貞夫
蕗の薹手土産にして友の来る 柳瀬節子
いつの間に我出遅れて蕗の薹 並木まり子
卒園の児らの成長日誌見る 角田英昭
山頭火像をおぼろになごり雪 田中一男
春雪や雪かき頼むとメール来る 中村桂子
青き踏む青春語る友は亡し 島田多嘉子
憎しみの輪廻よ溶ける春の雪 白井保次郎
卒業の友とたたずむ堤かな 常世田芳子
お玉じゃくし池に群れたり山笑う 小室豊子
太平洋百万本の霞草 高橋和江
逆上り上手になって卒業す 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(2023年12月句会) ダウンロード ➡ PDF
冬の陽に部屋の奥まで覗かれる 白井保次郎
雑魚寝して足の陣取り置炬燵 小室豊子
木枯に追われてくぐる縄暖簾 友井眞言
農の句を詠みし友逝く霜降月 松尾佐知子
過疎の村落葉の上にまた落葉 角田英昭
毎日が炬燵の人になりにけり 高橋和江
動員の氷雨に追われ還らざる 田中一男
冬の星句会先達の死を悼む 島田多嘉子
姉妹して父に𠮟られ炬燵入る 並木まり子
木枯や寅さん佐渡に宿を取る 瀧澤正行
凩とともにラーメン屋に入る 中野みどり
猫も子も場所取り合いの炬燵かな 常世田芳子
歳時記に亡母の拾いし落葉あり 中村桂子
極月や後ろへ投げる楕円球 坂守
炬燵入り小粒の蜜柑超甘し 後藤貞夫
鉢の磯菊陽差しを浴びて咲き始め 柳瀬節子
七ならべ皆集まりし炬燵かな 大塚敏高
木枯の吹きすさびけり長屋門 本山文子
切炬燵はや足げんか兄妹 木村武子
花札の散らかっている炬燵かな 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(2023年9月句会) ダウンロード ➡ PDF
廃線のレールに続く花野かな 田中 一男
栞して長編閉じる夜長かな 友井 眞言
句を拾い傘寿の秋を楽しめり 角田 英昭
肩車空を指さす良夜かな 中野みどり
顔に絵の女ら妖し夏祭 柳瀬 節子
野地菊や向こうの海の波しぶき 高橋 和江
親友の亡くなりし日の蝉時雨 白井保次郎
皺深き顔を鏡に長き夜 中村 桂子
保険証残すに署名百日紅 島田多嘉子
人絶えて看護の詰め所長き夜 本山 文子
秋晴れや運転免許更新す 瀧澤 正行
長き夜は友より来たる吟醸酒 大塚 俊高
蟷螂の怒っているよ物価高 並木まり子
台風の進路にやきもき旅支度 小室 豊子
秋うらら二人を送る大さん橋 常世田芳子
久々の横浜スタジアム花火見る 後藤 貞夫
夜長し「チボー家の人びと」を読む 木村 武子
独り膳少し豪華に良夜かな 松尾佐知子
一生の最晩年の良夜かな 講師 太田土男先生
●こだま俳壇(2023年6月句会) ダウンロード➡PDF
夏芝居はねて出でゆく雨の街 中野みどり
名を知れば振りてみたしよ小判草 島田多嘉子
読みさしの頁開きて梅雨ごもり 友井眞言
脇道の蟇子供等を通せん坊 白井保次郎
梅雨なれど陽を求めんと人と亀 並木まり子
梅雨晴間こどもがはしゃぐ水溜り 瀧澤正行
荒梅雨や濁流街を一呑みに 角田英昭
梅雨寒に黒々と立つ地蔵堂 本山文子
走り梅雨堤防に這ふ蝸牛 後藤貞夫
鮎焼いて夫と一献傾ける 小室豊子
梅雨寒や腕摩りつつ立話 柳瀬節子
マネキンの眩しき腕更衣 田中一男
紫陽花の窓辺をかざり外は雨 常世田芳子
晴れ晴れと今年の茶刈り終わりけり 中村桂子
荒梅雨や山小屋しかと閉ざしをり 木村武子
甥の手で伸びをしている守宮君 高橋和江
黙々と寺の石段若葉風 松尾佐知子
梅雨晴れや逆さに並ぶ色長靴 講師 太田土男先生
こだま俳壇(2023年3月句会) 雛の前に雛の顔して座りけり 中野みどり 麗らかや改札鋏の音一つ 友井眞言 蕗味噌を肴に語る母のこと 島田多嘉子 風光る午後の吹奏楽部かな 田中一男 うららかや第一球はストライク 木村武子 うららかやお腹を見せて眠る猫 常世田芳子 制服があふれる駅の弥生かな 柳瀬節子 泣きべそにあめ玉一つ風光る 並木まり子 お豆腐に蕗味噌乗せて一人酒 瀧澤正行 蕗味噌や酒は旨口ぬる燗で 角田英昭 優等と言われし卵風光る 後藤貞夫 うららかやトリコロールのバス走る 高橋和江 蕗味噌を豆腐にのせて薬膳に 小室豊子 願い込め鴻巣人形雛壇に 白井保次郎 ふきのとう苦み一味朝の膳 中村桂子 よこはまを離れず老いし雲の峰 三井光子 春風に言の葉ふっと消えにけり 松尾佐知子 麗らかやからくり時計人だかり 講師 太田土男先生